マーキュリアインベストメントIPO評価分析 ~投資ファンド事業は人気がなく見送りか~

世界を舞台に投資事業を行うマーキュリアインベストメント(7190)が東証2部に上場します。

想定価格は1640円

BB期間は2016年9月29日から10月5日

上場日は10月17日です。

仮条件は9月28日

公開価格は10月6日に決まります。

仮条件や追加の正確な情報は、決まり次第日本取引所グループのホームページで確認できます。

IPO主幹事はSMBC日興証券です。SBI証券マネックス証券も狙い目です。

マーキュリアインベストメントはホームページのトップページに

「既成概念や国境にとらわれないあらゆるソリューションを駆使したクロスボーダーな投資 それが私たちの投資アプローチです。」

と、何だか素敵なコンセプトが書いてありますが、投資事業毎に細分化された利益内容を見ると、利益の6~7割は不動産投資によって得ているので、様々な投資アプローチというよりも不動産投資に重点を置いた投資戦略を行っているようです。

業績は順調に拡大を続けてはいますが、投資ファンドという余り人気の無い分野であり、上場規模も大きいので、初値は公開価格付近だと予想します。

リターンとしては、公募割れするかしないか、、、微妙なラインで、大きなリターンは上げられません。

手堅くいくなら、これは見送るのが良いでしょう。

その辺りを考慮した結果、今回参加お勧め指数は40です。私は見送るのが良いと思います。

しかし、多くの方が同じように考えるので、この案件の当選は他の案件に比べると容易です。そこで、損をするリスクを取りながらも、敢えて大量当選を狙い将来的なリターンを狙うという投資戦略もアリだと思います。

以下では、マーキュリアインベストメントの事業内容について解説していきます。この辺りを読んで、貴方なりの投資戦略を立ていくのが良いでしょう。

マーキュリアインベストメントの事業内容

マーキュリアインベストメントの事業内容は「ファンド運用事業、自己投資事業」と有価証券報告書に記載されています。

具体的な業務内容

マーキュリアインベストメントは国内外のファンドから集めた資金と、自己資金を合わせて①成長投資戦略②バリュー投資戦略③バイアウト投資戦略④不動産投資戦略/CF投資戦略の4事業に投資を行っています。

①成長投資戦略

この分野では今後大きく成長するであろうと思われる、新技術、新事業を扱う企業をマーキュリアインベストメントが見極め、中長期的に資金を投資してリターン目指す事業です。

②バリュー投資戦略

この分野ではローン債権、不動産などのキャッシュフローを産み出す投資対象に対して、独自の人脈やネットワークを駆使した調査に基づいて割安と思われる資産に投資を行い、キャッシュフローによるリターンと将来的な値上がり益を獲得することを目的とする事業です。

③バイアウト投資戦略

この分野では、企業の株式に投資を行い経営に参画して、マーキュリアインベストメントが主導して企業価値を向上させてリターンを獲得することを目的とした事業です。

④不動産投資戦略/CF投資戦略

この分野では、経済発展著しい地域に力を入れて不動産投資を行い、キャッシュフローと値上がり益を獲得する事を目的とした事業です。

この分野がマーキュリアインベストメントの利益の大部分を稼ぎ出しています。

またアジア圏に特に力を入れて不動産投資を行っているので、香港にマーキュリアインベストメントの子会社SpringAssetManagement Limitedを上場させています。

CF投資戦略

この分野では、インフラ投資や賃貸不動産投資を通してキャッシュフローに重点を置いた投資を行います。今までは不動産投資戦略とCF投資戦略で一体化していましたが、来年以降はCF投資戦略分野として個別の戦略としていくそうです。

それぞれの投資事業の運用資金となるAUM推移

成長投資戦略
平成24年12月期 162
平成25年12月期 252
平成26年12月期 281
平成27年12月期 249

バリュー投資戦略
平成24年12月期 37
平成25年12月期 30
平成26年12月期 19
平成27年12月期 15

バイアウト投資戦略
平成24年12月期 未設定
平成25年12月期 15
平成26年12月期 15
平成27年12月期 15

不動産投資戦略/CF投資戦略
平成24年12月期 1029
平成25年12月期 1341
平成26年12月期 1575
平成27年12月期 1547

総投資AUM
平成24年12月期 1228
平成25年12月期 1638
平成26年12月期 1890
平成27年12月期 1826

順調に預かり運用資金を増やして利益も拡大しているので事業は順調です。

これからは投資ファンドには厳しい時代

世界の多くの基金で投資ファンドに投資する資金を回収する動きが続いています。

この原因は、インターネットで簡単に投資ファンドの手数料やリターンを比べられるようになったことで、多くの基金に投資ファンドは購入・保有することによる手数料が高いのに手数料に見合うリターンを得られないと判断されたからです。

そのため、近年では投資ファンドは投資でのリターンを上げることだけでは無く、投資ファンドを購入・保有することに関わる手数料を安くしていき、リターンから手数料を引いた実質的に受け取れるリターンを高めることが求められています。

そして、今後この流れは加速することが予想されており、これからの投資ファンドはリターンと手数料の両方で、激しい競争をしていく厳しい時代に突入していくでしょう。

マーキュリアインベストメントの財務情報

営業収益
2011年12月          877,977,000円
2012年12月          1,413,667,000円
2013年12月          1,174,610,000円
2014年12月単体    622,586,000円
連結         1,616,137,000円
2015年12月単体    760,178,000円
連結                     2,047,567,000円
2016年6月 連結     1,405,090,000円

経常利益
2011年12月          609,337,000円
2012年12月        1,156,183,000円
2013年12月          706,475,000円
2014年12月単体   297,924,000円
連結                    966,912,000円
2015年12月単体    382,433,000円
連結                     900,213,000円
2016年6月 連結  690,590,000円

純利益
2011年12月          150,079,000円
2012年12月          241,962,000円
2013年12月          419,367,000円
2014年12月単体    178,106,000円
連結                     739,790,000円
2015年12月単体    331,990,000円
連結                    620,829,000円
2016年6月 連結    476,297,000円

財務諸表を見ると、2015年度から業績は横ばいで推移してきています。

悪くはありませんが、特別良くもないというのが率直な感想です。

日本取引所グループから公開されたマーキュリアインベストメントの有価証券報告書

マーキュリアインベストメントの関連銘柄

有価証券報告書の中で特別利害関係者として伊藤忠商事(株)東証1部8001が記載されています。

伊藤忠商事はマーキュリアインベストメントの株式を保有しており、出資している形になります。マーキュリアインベストメントの業績が上がれば、伊藤忠商事の株価を押し上げる要因になります。

但し、マーキュリアインベストメントにとっては伊藤忠商事は大きな存在ですが、伊藤忠商事にとってはマーキュリアインベストメントは小さな存在です。

そのため、マーキュリアインベストメントからの伊藤忠商事に対する株価の影響は軽微な物になります。

逆に将来的に伊藤忠商事が保有しているマーキュリアインベストメントの株式を売却すると、マーキュリアインベストメントの株式の価格が押し下げられます。

どちらにしても当面お互いに大きな影響は無いでしょう。

マーキュリアインベストメントのIPOは買いなのか?見送りなのか?

マーキュリアインベストメントのIPOは見送りです。IPO人気の乏しい投資ファンドという業種と、そこそこ大きな売り出し規模が目立つので公開価格辺りに初値は落ち着くと予想できます。

買い要因

  • IPOの当選は容易、将来の長期的なリターンを期待して購入する

見送り要因

  • 良くも悪くも無い財務諸表
  • 人気に乏しい投資ファンド
  • 東証2部上場で、そこそこ大きな売り出し規模

主幹事情報

マーキュリアインベストメントのIPO主幹事はSMBC日興証券です。

その他の引き受け金融機関は、マネックス証券、岡三証券、エース証券、SBI証券、岩井コスモス証券、丸三証券、SMBCフレンド証券です。この中で、ネットから購入の応募ができるのは、SMBC日興証券SBI証券マネックス証券です。

副幹事の中に岡三証券が入っているので、後から岡三証券グループのネット証券、岡三オンライン証券からも応募できる可能性があります。

まとめ

マーキュリアインベストメントは投資ファンドとしては不動産投資をメインに事業を展開し、特に経済発展著しい地域に集中投資するのは良い所に目をつけているな、と思いました。

しかし、IPO案件としては魅力に欠けているので、正直見送った方が良いでしょう。

IPOとしては、伸び代のあった2年前に上場していた方が初値の上昇が期待できたので、2年に上場できなかったのかな?と思いますが、色々事情があるのでこればっかりは仕方が無いかなとも思います。

IPO投資の当選確率を上げる方法 ~おすすめの証券会社SBI証券のIPOチャレンジポイントとは~

上場後株価分析はこちら
⇒マーキュリアインベストメントの上場後株価分析 ~下落後の買いを狙う~

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